〔1〕黒田寛一とソ連邦の崩壊 ――「世紀末の思想問題」を再読して 本論文が『共産主義者』第一四五号(一九九三年七月)に掲載された時に、私は読んでいた。その私が改めて本論文に対決したのは、同志松代のブログ記事「一九九六年の時点で、ソ連崩壊は忘れ去られてしまうようなものなのか」(二〇二三年二月一九日)を読み、黒田の思想的変質がソ連崩壊時に既に始まっていたのではないか、と思ったからである。 『現代における平和と革命』の「改版 あとがき」(一九九六年執筆)について同志松代は述べている。「黒田にとって、ソ連の崩壊はすでに、忘れ去られることを心配するような問題になっているのか、忘れ去られてよいか否かも糞も…