今日は十数年ぶりに再読した、平安寿子著「セ・シ・ボン」の話をしていく。この作品は、著者が20代の時にした留学にまつわるエッセイだ。 セ・シ・ボン (ちくま文庫) 作者:平安寿子 筑摩書房 Amazon 表題でもあるセシボンという単語は、フランス語で「素敵」「素晴らしい」を意味する。「想い出って、素敵だ」って本には違いないけれど、著者がそう思えたのは30年近く経ってからだった。 今の自分の感想をうまく言葉にできないのは、十数年ではわたしの想い出はセシボンになっておらず、もう少し寝かせる必要があるからかもしれない。 それでも、わたしはこの作品に出てくる変わった人たちが好きだし、なによりやっぱり平安…