【sophist】「智恵ある者」の意。紀元前5世紀頃のギリシャ(特にアテナイ)で、法廷での弁論術や修辞法などを職業として教えた者。ソクラテスも同時代人からはソフィストの一種と見なされていた。客観的な真理は存在しないと説く者が一般的で、そのため後に「詭弁を弄する者」のようなネガティブな語義が生じた。
尚、後期プラトンに、「ソピステス」、即ち「ソフィスト達」と題された対話編のあることも逸せない。
思いがけずソクラテス以前の人々を長く紹介しておりますが、今回で一応の区切りを…...ということで、以前にも少しだけ触れたソフィストたちを最後に取り上げたいと思います。ソフィストとは「賢い人」、また「教えてくれる人」というほどの意味合いですが、彼らが活躍した紀元前5世紀ごろのアテナイでは、やや不安定な社会情勢の中で弁論の術が求められるようになっていました。主張の正しいかどうかよりも、正しいと思わせられるか――多くの人を扇動する技術が必要とされたのです。 この弁論の術を人々に教えたのがソフィストたちであり、また彼らは相応の金銭を受け取ってもいたため、嫌われることが多かったようです。実際、プラトンや…