【sophist】「智恵ある者」の意。紀元前5世紀頃のギリシャ(特にアテナイ)で、法廷での弁論術や修辞法などを職業として教えた者。ソクラテスも同時代人からはソフィストの一種と見なされていた。客観的な真理は存在しないと説く者が一般的で、そのため後に「詭弁を弄する者」のようなネガティブな語義が生じた。
尚、後期プラトンに、「ソピステス」、即ち「ソフィスト達」と題された対話編のあることも逸せない。
皆さんには、「当たり前」「常識」と思っていることはあるでしょうか。古代ギリシアには、ソフィストと呼ばれる人たちがいました。彼らは「当たり前」「常識」を疑った人たちです。ソフィストと聞くと胡散臭い悪者、詐欺師みたいなイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。今回は、そんなソフィストという存在について雑に書いていきたいと思います。 ソフィストが出てきた頃、古代ギリシアの代表的な都市国家であるアテナイでは、デモクラシーが完成しつつありました。貴族だけでなく幅広い市民(父親が市民である成人男性)に政治参加の機会が与えられました。しかし、急に政治に参加しろと言われても、何をすればいいか分か…
0. はじめに──経営か、支配か 「経営コンサル」とは何をしているのか。一般には「経営改善の助言をする専門家」と理解されているが、その実態は経営というより統治構造の設計者に近い。 資源配分の最適化よりも、意思決定権の配置、評価制度、情報流通経路、行動誘導指標の設計を行う。これは経営工学というより権力工学である。支配は言語で書けるが、自然法則は書き換えられない。\ 本稿では、現代コンサルティング産業を「AI統治文明のソフトウェア官僚制」として捉え、その文明論的意味を会計学的視点で監査する。 1. 経営(Management)と支配(Governance)の分離 経営とは本来、資本・労働・設備の配…
相談ごとに対する最近のAIの制作物をつぶさに読み、見て聴いて感じたことを率直に書いてみる。 ネガティブな表現や発言はほとんどない。人さまの質問にまっとうな事実を巧妙にまとめて返してくれる。 なんとももまあ心地よいことばを並べ立てるのに長けていること! 優等生の回答ともいえるが、自分はソフィストと呼びたい。かつて、プラトンはその技術と態度を迎合と切り捨てたものだ。不満を申し立てるまでもなく、そのように調教されたマシンなので主体性がないので当然の特性であろう。 ユーザにへつらう感じが見え見えで、心地よい事実を並び立てて、これは真摯な反応とは思えない。ぎゃくにその魅力にハマる人々も多数出現しているの…
思いがけずソクラテス以前の人々を長く紹介しておりますが、今回で一応の区切りを…...ということで、以前にも少しだけ触れたソフィストたちを最後に取り上げたいと思います。ソフィストとは「賢い人」、また「教えてくれる人」というほどの意味合いですが、彼らが活躍した紀元前5世紀ごろのアテナイでは、やや不安定な社会情勢の中で弁論の術が求められるようになっていました。主張の正しいかどうかよりも、正しいと思わせられるか――多くの人を扇動する技術が必要とされたのです。 この弁論の術を人々に教えたのがソフィストたちであり、また彼らは相応の金銭を受け取ってもいたため、嫌われることが多かったようです。実際、プラトンや…