政治スローガンは悩ましいものだ。「中小企業は国の宝」「だれ一人取り残さない」と掲げて、公に反対できる人は少ない。しかしいずれも、現実的には難しいテーマだ。考え方としては、 ・働きたい人は、だれ一人取り残されずに働けるようにする ・雇用のほとんどは中小企業(*1)が担っている ・だから中小企業支援をして、雇用を安定させる ということ。先月、最低賃金を4%ほど上げ、全国平均をついに1,000円台まで引き上げる決定が、中央最低賃金審議会小委員会(*2)で決着した。岸田政権が賃上げに注力し、大企業の賃上げ報道が相次ぐ中、大幅UPを求める労働側と、コスト高などで苦しい企業経営側が真っ向対立し、異例の2日…