タイの首都、バンコク。 しかし、その呼び名は主に外国人が使う。 現地では、この都を「バンコク」とは言わない。そのことは、メディアの紹介もあって最近はよく知られている。 バンコクの本当の名は―――、とても長い。 クルンテープ・マハーナコーン―――云々、云々と、延々続く正式名は、とてもではないが一度に覚え切れるものではない。 その「云々、云々」の中に、まことに象徴的なくだりがある。 「帝釈天が建築神をして造らせたるまち」 すなわち、現在、成長著しい東南アジアの中心を成すこの繁華な街は、帝釈天の設計もしくはプロデュースによるものとここでは語られている。 「帝釈天」―――インド生まれの神となる。 なお…