長い間、使っていた卓上時計が止まっていた。 頑丈なガラス製の置時計で、重さは1キロ近くある。 裏を見ると2004年製と書かれている。 16年の記憶を刻んできたということだ。 時計の仕組みなど単純なのだろうから、 電池のせいかなと思い、何度か新しいものに取り換えてみた。 けれど、秒針が少し動いてもしばらくすると止まってしまう。 長いこと部屋を飾って豊かに時を刻んでくれたけれど、 動かない時計を置いておくわけにもいかないので、新しく買うことにした。 でも、いや、待てよ、脱衣所にある時計はどうか。 あまり見ないし、たまに電池を替えるときだけ確認している時計だ。 それは裏のメモによると、2003年9月…