「伯爵」(原題:El Conde, 2023)を見る。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最優秀脚本賞を受賞し、第96回アカデミー賞では撮影賞にノミネートされた。本作の主人公は独裁政権の象徴アウグスト・ピノチェト(※)で、250年間生き続けた吸血鬼として登場する。 監督は「スペンサー ダイアナの決意」などで知られるチリの名匠パブロ・ラライン。チリ近代史を下敷きにした異世界を舞台に、独裁者ピノチェトを吸血鬼として描き出すダーク・ホラーコメディ。 終盤登場するマーガレットという女性はアウグストの右腕の執事の母親で、なんと”鉄の女”マーガレット・サッチャーというのが笑わせる。 ヴァンパイ…