「チサノキ」は「萵苣の木」と書きます。 「萵苣の木」と聞いて、「伽羅先代萩」を連想する人は100人中何人いるでしょうか。 「伽羅先代萩」は、「めいぼくせんだいはぎ」と読みます。人形浄瑠璃、歌舞伎の外題です。外題というのは、上演される演目の題名のことです。 作者は江戸時代中期の歌舞伎作者、奈河亀輔(ながわ・かめすけ)。初演は1777(安永6)年、大坂・中の芝居(道頓堀にあった劇場・中座)で。㊦のちなみ写真は「中の芝居」ではなく東京・歌舞伎座です。 まず、「伽羅」から謎解きします。熱帯アジア原産の常緑高木で、代表的な香木の一つに「沈香(じんこう、ぢんこう)」があります。その「沈香」の中でも特に質が…