團菊祭夜の部を観劇。昼の部の入りより若干落ちた印象。まぁそれでも九分通りの入りと云ったところだったろうか。やはり團十郎が主役でたっぷり出る芝居の方が人気が高いのかもしれない。しかし内容は素晴らしいものだった。時代物と世話物の大作二題。花形のトップランナーである菊之助と松緑渾身の芝居が観れた、正にこれが令和の歌舞伎だとも云うべき充実した舞台であった。 幕開きは『伽羅先代萩』から「御殿」と「床下」。これはもう歌舞伎の代表的な演目と云っていいだろう。個人的な話しになるが、筆者は子供の頃に母親から「御殿」の筋を聞かされていた。母は時折涙ぐみ乍ら、まだ頑是ない(?)筆者に語り聞かせてくれたものだった。子…