卵巣がんの標準治療が受けられなかった私は、アナフィラキシーを起こした翌週、再度入院して別の抗がん剤を試すことになった。 (この先どうなってしまうのか・・・) (使える抗がん剤はあるのだろうか・・・) (もしかしたらこのまま全身にがんが広がってしまうのではないか・・・) 入院までの1週間、悪い想像ばかりが浮かび、不安に押しつぶされそうだった。 新しい抗がん剤はドキシル。これにカルボプラチンを組み合わせて投与する予定だった。 ドキシルを開始して5分、前回ほどではないが、のどの違和感を感じた。 この頃の私は平静を装っていたが、もう冷静な判断ができなくなっていた。 (これは気のせい。今回は大丈夫なはず…