2015年9月夜、私は長野県南信地方のとある深い山道を運転していた。と、そのとき突然、車の前30~40m先を走る動物が視界に入った。その動物は中型の哺乳類。10~15秒ほど車の前を軽やかに走り、そのあと道路脇の暗闇の中に消えていった。 私は当時大学院生で、野生生物の保全に関わる研究に励んでいた。南信地方の山道にいたのは自身の研究、野外調査のため。助手席には研究室の後輩が座っていた。 私: え、あの動物なに? 後輩:んー…なんですかねー。 私: シカじゃなかったよね?シカにしては小さいし尻尾長かったし。 後輩:シカではなさそうですね。 私: 大きさ的にキツネでもなくない?未確認動物? 後輩:ハハ…