緑風会が最も勢力を持った時期は、昭和20年代から30年代前半にかけてだった。作家の山本有三らが音頭をとり、参議院の無所属議員が集まって院内交渉団体として成立するのである。名称は五月の新風と英語のミドル(中間)をもじったもので、いずれの党派にも偏らない、がモットーのゆるやかな連合体だった。 いわゆる55年体制ができて自民、社会の二大勢力の対立がはじまると、拘束のゆるい緑風会は草刈場となり滅んでいくのだが、最大で96名の会員数を誇り参議院の第一会派となった時期もあった。 一度、滅びたものはそれなりに滅びる理由を持っていたわけで、過去を美化するつもりはない。 ただ、アイディアは汲み取って損はないと思…