はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と三十九 「サイコパス ト ポピュリズム ト ブンダン ト」 すると、限りなく、あのパン屋の、あのライ麦パンに近い匂いと共に、Aくんが戻ってきた。 「冷凍していたヤツだからな~、どうだろ。ま、食べてみてよ」 うおっ。 やっぱり。 「ライ麦パンですよね」 「そうそう。石窯で焼かれた本格派なんだけれど、もう一ヶ月以上、冷凍庫の中で冬眠していたから」 「大丈夫です。ライ麦パンは屈強、無敵、ですから」 「屈強?、無敵?。推すね~」 テーブルの上に置かれた皿には、薄く輪切りにされた小振りのライ麦パンが、4枚、寄り添いながら行儀良く並んでいる。 するとAくん、ナニかを…