待ち暮らし (ハヤカワ・ノヴェルズ) 作者:ハ ジン 早川書房 Amazon ★★★★ 軍医の孔林は妻の淑玉と離婚すべく、毎年夏に帰省して妻と人民法院に通っていた。ところが、当初は離婚に同意していた妻も土壇場で考えを翻して離婚できない。林は早く妻と別れて看護婦の呉曼娜と結婚したかった。軍規によると、別居が18年続けば相手の同意がなくても離婚が成立するため、林と曼娜はひたすら待ち暮らしをする。文革期に出会った2人は、改革開放期になってようやくその日を迎えるのだった。 墓から戻って一日じゅう、林は自分の置かれた苦境について考えた。村人から淑玉について尋ねられたら、自分はきっと淑玉を完璧な妻と認める…