喉が引き裂かれそうになるまで、一心に、幸せであることを希ってくれる人たちがここにいる。これ以上ない幸せが、「泣いている人」という歌には詰まっている。壮大な音のなかにすっくと佇む祈り、希い、慈愛。この一曲のなかには、幸福が漲っている。大仰に聞こえるかもしれないけれど、誇張なくそう思う。 『甦る陽』の最後を飾る歌である「泣いている人」。 この歌は「コオロギのバイオリン」を除けば、THE BACK HORNのなかで最も長い楽曲でもある。多くは語らない歌詞に対して、7分以上にも及ぶ時間。「泣いている人」のなかで流れる時間は、とてもやさしくて、あたたかい。 自分の言葉を、時間をかけながらじっくり探し、そ…