「扉」を聴いたとき、心臓の鼓動をふと感じた。心がときめく、ということ以上に、ドクドクと脈打つ心臓そのものを、命の息吹を、つまり脈動を、この歌から感じ取ったのである。穏やかな曲調とは裏腹に「扉」という歌から想起されるのは、静かなる闘志、命との対話、研ぎ澄まされた刃の切先のようにギラリと光る、そんな情景である。 『ヘッドフォンチルドレン』という珠玉の作品の幕開けとなるこの曲は、まさしくそれに匹敵する凄まじい熱を帯び、青い炎さながら煌々とエネルギーを放っている。『ヘッドフォンチルドレン』という世界に入り込むのに、この「扉」という曲は十分すぎるくらいの起爆剤になる。 『ヘッドフォンチルドレン』はTHE…