扉子シリーズ第四弾。今回は、紛失した鎌倉文庫の千冊の貸出本を巡る謎。鎌倉 文庫とは、夏目漱石や川端康成、高見順、久米正雄など、鎌倉の文士たちが自らの 蔵書を持ち寄って始めた貸本屋のこと。千冊ほどあったと言われる鎌倉文庫の 貸出本だが、発見されているものは数冊で、他の本は未だにどこへ行ったか わからないという。稀少な漱石の初版本なども含まれていたはずなのだが、 一体どこへ消えたのか――。 あとがきによると、鎌倉文庫というのは実在したそうで、その蔵書のほとんどが 行方不明になっているというのも史実なのだそう。古書好きが聞いたら、そりゃー 目が飛び出るほどのお宝でしょう。古書狂ばかりが登場するビブリ…