ビブリア古書堂の事件手帖Ⅴ~扉子と謎めく夏~(三上延/メディアワークス文庫) ビブリア古書堂シリーズの扉子編第五巻。前作から一年一月という、予想より早い刊行だった。 このシリーズは、古書に精通した女性が探偵役を務め、物語はその助手兼記録係となる男性の視点で描かれる、という構図を基本としてきた。 今作では、扉子編五冊目にして初めて、扉子が本格的に探偵役を担う。語り手も、前作で扉子パートを担当した後輩の樋口恭一郎へと引き継がれ、物語の視点が若返ったことで、シリーズの空気がわずかに変化している。 舞台は高校二年生の夏休み。母の栞子と父の大輔は海外での仕事のため不在で、扉子は叔母の文香とともに店を切り…