二四五 選択における賞讃 芸術家は、自分が扱う素材を選び出す。その選択が、素材に対する芸術家の賞讃なのだ。 フリードリヒ・ニーチェ『喜ばしき知恵』(河出文庫、村井則夫訳、p.271) 二〇〇 書くことや教えることにおける注意。 やっとものを書いてみたばかりで書くことの情熱をうちに感じている者は、自分がやったり体験したりするほどんどあらゆることから、著作の上で伝えられるものだけをどうにか学びとる。彼はもはや自己のことは考えず、著作家やその公衆のことを考える、洞察を欲するが、しかし自分に役立てるためではない。教師たるものは、たいてい、なにか自分のことさえ自分自身のためにやることができない、彼はいつ…