《Ⅰ.テューダー朝⑤》 メアリー1世が、レディー・ジェーン・グレイの勢力に勝ったのは、民衆蜂起によるメアリー支持が大きな要因といわれていますが、その後のメアリー1世による新教徒弾圧により、新教徒がこぞって大陸に亡命する者(これを「メアリー時代の亡命者」と呼ぶ)も少なくなかったのです。 メアリー1世 また多くの反対を押し切ってスペインの王太子フィリッペと結婚したのでしたが、強く反対する勢力は「英国の王座がスペイン王によって乗っ取られる恐れがある」と訴え、反乱まで起こしました(「トマス・ワイアットの乱」1554年)。乱の指導者たちは皆新教徒であり、メアリーの反動的政策に反対し、今は亡きアン・ブーリ…