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ブッシュ・ドクトリン

(一般)
ぶっしゅどくとりん

2002年9月20日。
アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領の打ち出した積極的な自己防衛指針で、正式には「アメリカ合衆国国家安全保障戦略」という。

非常に長い本文であるが、簡潔に言うならば以下のようなもの。

アメリカ合衆国国家安全保障戦略

【序文】

米国は、最強の軍事力と政治、経済的な影響力を自国のためのみに用いるのではなく、テロリストや独裁者の脅威から平和を守り、大国間の良好な関係を築き、自由で開かれた社会をすべての大陸に奨励することで、この平和を保ち、拡大させる。

同時多発テロはアフガニスタンのような弱小国が、我々のような大国の国益に脅威となることを教えた。貧困が人々をテロリストにするのではなく、貧困や腐敗が弱小国をテロ組織に無防備にさせる。米国は平和を拡大する偉大な任務を指導する責任を歓迎する。

【地球規模テロ撲滅のための同盟強化】

まず、地球規模で活動するテロリスト組織を妨害し、撲滅する。当座の焦点は、大量破壊兵器の入手、使用を試みるテロ組織あるいはテロ支援者だ。

脅威が米国の国境に達するよりも前に破壊することで、米国の利益を防衛する。米国は国際社会の支持を得るために努力を継続するが、必要とあれば、単独行動をためらわず、先制する形で自衛権を行使する。テロリストへの財政援助や聖域供与もなくす。

テロを推進するイデオロギーがどんなどんな国家にも温床を見いだすことがないよう、特にイスラム世界で、穏健で近代的な政権を支持する。

【大量破壊兵器による脅威の防止】

湾岸戦争時に、イラクの企てが化学兵器だけでなく、核、生物兵器にも及んでいたとする証拠を入手した。北朝鮮はこの10年で世界の主要な弾道ミサイル供給源になり、より高性能のミサイル実験を行い、大量破壊兵器を開発している。大量破壊兵器の脅威に対しては、能動的な拡散防止の努力が必要となる。我々は脅威が現実となる前に抑圧し、防御しなければならない。米国はもはや、これまでのような単に受動的な態度に依存することはできない。

【各地域の主要国との協力活動】

同時多発テロは米国のアジア同盟関係を活性化させた。日本と韓国は、テロ攻撃から数週間のうちに、前例のない水準で軍の補給支援を供与した。日本が地域と世界中で、我々の共通する利益、価値観と、緊密な防衛・外交協力に基づいて、指導的な役割を果たし続けることを期待する。我々は韓国と共に働き、北朝鮮に対する監視を続ける。

強大で平和、繁栄する中国の登場を我々は歓迎する。中国は今なお時代遅れ道を歩んでいるが、やがて社会的、政治的自由のみが偉大さの源だと気づくだろう。

【地球規模の経済成長】

世界経済発展のため、投資や企業活動を通じた成長を促す法整備を進める。税制を緩和し、汚職への監視を強める。途上国がエイズや結核、マラリアの治療薬を入手できるよう知的所有権の柔軟な適用を保証する。

【民主主義を通じて開発を促す】

人類の半数が1日2ドル以下で生活する世界は正しくない。米国の最優先課題の一つは、世界の貧しい人々を発展とチャンスの輪に取り込むことだ。開発援助の50%増を提案する。

【21世紀の国家安全保証政策】

米国は、自分たちの意志を我が国とその同盟国に押しつけようとする敵のどんな企ても破る能力を維持する。米国と同等かそれ以上の軍事力を築こうとする潜在的な敵を思いとどまらせるのに十分な、強力な軍事力を持つ。米国は、多様な社会に住む国民の技能と経済の活力、組織の復元力を力の源泉として、国家安全保障を築いていく。

ALL SOURCE FROM WHITE HOUSE
The National Security Strategy of the United States of America

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