いつの時代にもカフェイン中毒は絶えない。 その頃、時の政府は『カフェイン過剰摂取改方』という特別警察を設けていた。世に蔓延するカフェインの群れを容赦なく取り締まるためである。 若干の小銭と余りある暇を与えられた、そのカフェイン過剰摂取改方の長官こそが長谷川フェイ蔵、人呼んで鬼のフェイ蔵である。 「旦那、長谷川の旦那…よろしいですか」 「どうしたカヲル、こんな夜更けに。フ、ちと顔色が悪いな」 「へい…コイツを急ぎ吟味していただきたく…へい」 「なんだ?美味そうな炭酸飲料ではないか。どれ…ゴクゴク…ムッ‼ こいつは…」 「コーヒーだな」 「へい…一見炭酸飲料よろしく澄ました顔をしていやすが、紛れも…