世界の農業のあり方が問われている。 「農業は環境にやさしい産業だ」などといわれた時代があったが、まるで嘘だった。残念ながら、これまでの農業は環境悪化を促す存在だったのだ。 農業が関わる主要な環境問題は4つある ①気候危機:温室効果ガス、経営上のエネルギー収支、食料輸入 ②生物多様性の損失:生物種の大量絶滅 ③窒素とリンの環境汚染:人為的投入量、陸域から水圏へ ④農耕地土壌の劣化:耕すことの是非、肥料とは何か、③と関わる プラネタリー・バウンダリー(地球の限界値)という指標がある。2009年、ヨハン・ロックストロームら約20名の地球システムと環境科学者のグループが提唱し、その後の環境問題を考える…