幼少の頃、「11ぴきのねことあほうどり」という絵本を買い与えてもらっていた。大学に行くくらいまで、自分の本棚にあったように記憶している。ずっと大切にしてきた、とか模写して楽しんでいた、というほどのことでもない。ただ、持っていたなぁ、という程度のことである。 ある日、「まるごと馬場のぼる展開催」というニュースをネットで見つけた。直感的に、ぜひ原画を観てみたい、にわかにそう思った。東京練馬区の美術館で行われる展覧会は、緊急事態宣言下であるから、いつ中止になるかわからない。なので、開催初日に訪れることにした。 練馬区立美術館 11ぴきのねこシリーズは全七作あるそうだが、私はあほうどりのものしか読んだ…