ウールフ、黒い湖 作者:ヘラ・S・ハーセ 作品社 Amazon ★★★ オランダ領東インド(現インドネシア)。白人の少年「ぼく」は、同い年の原住民ウールフと身分を超えて仲良く遊んでいた。「ぼく」の父は農園の支配人であり、ウールフの父はそこの苦力頭である。ある日、家族みんなでタラガ・ヒドゥン(黒い湖)へ遊びに行くことに。そこでウールフの父が、溺れた「ぼく」を助けて死んでしまった。その後、「ぼく」とウールフは別々の学校に通うことになり……。 ウールフはぼくの友だちだった。おおよそ生まれてこのかたそばにいて、ぼくという生のあらゆる局面、あらゆる思考や体験を共有してきた、唯一の生きた存在なのだ。そして…