「ヘリオドロスの追放」における教皇とラファエロ 第2章 教皇居室の装飾変化する制作スタイル「署名の間」は教皇の蔵書室として使われていた。書物の4つの分類、神学、哲学、詩学、法学に呼応する、四つの主題が天井と壁画に描かれている。アテネの学堂(署名の間)奥の空間では、プラトンとアリストテレスという二人の哲学者を中心に、左右の人物が並んでいるが、各人の頭の高さはほぼ揃えられ、見事な水平線を描いている。p83ヘリオドロスの追放(ヘリオドロスの間)激しい動きに満ちた、勢いのある表現色彩に関しては、暗色が用いられ、明暗のコントラストの差が強められている。ボルゴの火災(火災の間)内部の空間的な広がりよりも、…