1975年6月9日、ソビエト連邦(現ロシア)は宇宙開発史に残る大きな一歩を踏み出しました。この日打ち上げられた金星探査機**「ベネラ9号(Venera 9)」**は、史上初めて金星の地表を撮影し、その画像を地球に送信したのです。 ◆ 焼けつくような惑星「金星」への挑戦 金星は、地球の“姉妹惑星”と呼ばれることもありますが、その環境はまったく異なります。表面温度は約470℃、大気は二酸化炭素が主成分で地表の気圧は地球の90倍以上。さらに硫酸の雲が漂い、まるで「地獄のような惑星」。 そんな極限環境に探査機を送り込み、実際に着陸し、画像 送るというのは、当時の技術では驚異的な挑戦でした。 ◆ ベネラ…