一粒の麥、地におちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの果を結ぶべし。己が生命を愛する者は、これを失ひ、この世にてその生命を憎む者は、之を保ちて永遠の生命に至るべし。人もし我に事へんとせば、我に從へ、わが居る處に我に事ふる者もまた居るべし。人もし我に事ふることをせば、我が父これを貴び給はん。(ヨハネ傳12:24-26) 生活に冒された私の魂に霊感を取り戻さんと、音楽をかけて、ドンボスコ社上梓の本書を読む。久方ぶりの神秘的な夜を過ごす。 本書は、「アルジェ・ティビリヌの修道士殺害事件」を、7名の殉教者が遺した手記と、周囲の証言から解き明かすもの。これを題材とした映画を以前紹介した。 l…