私は、いい加減でダメな人間ではあるものの、完全なダメ人間になりきれない中途半端なダメ人間である。 だからチャールズ・ブコウスキーの小説『勝手に生きろ!』に出てくる主人公のチナスキーの生き様に、若干の憧れを抱くのだ。 この小説を映画化したのが、ベント・ハーメル監督の2005年の映画『酔いどれ詩人になるまえに』である。主人公のチナスキー(演:マット・ディロン)は、住所不定・酒浸りのヒモ男である。 しかしながら詩人としての才能と、人間としての魅力がある。 家族を蔑ろにしても、自分を貫く落ち目のレスラーを描いた2008年の映画『レスラー』のランディ(演:ミッキー・ローク)しかり、売れないシンガーソング…