母が亡くなって15年になる。 やさしく、しっかり者だった母。 私が、生きている間は、私の記憶に残っているが、私がこの世を去れば、母のことを思い出す人もなくなるだろう。 父が亡くなって、母は、60代前半で一人暮らしになった。 「誰にも、束縛されない生活。人生で一番幸せな時」といつも言っていた。 しかし、73歳の時、慢性の下痢になった。 おかゆを中心とした食養生をしたようだ。 「かかりつけ医の先生の処方薬も飲んでいる。」とのことだった。 整腸剤だったようだ。 その頃から、母の認知機能は衰え始めた。 下痢をしたことで、脱水症になっていたことだろう。 体内をめぐる血液の量も、減っていたことだろう。 脳…