昧爽の迷宮へ(4)← →昧爽の迷宮へ(6) ママは掌(てのひら)で、ぼくの胸から下のほうまで何度も触りまわしてから、今度は舌でゆっくりと上がってきた。ぼくは鎖骨の前後を舐められるのが好きなのだけれど、きょうはそこにはこだわってくれない。首の横から耳のほうへ来た。吐息が温かい。頬を擦りつけるようにしている。ぼくはママの背中を抱いて、背骨をなぞった。ぼくは、男の人の身体(からだ)で、この面がいちばん好きだ。それから、体側(たいそく)のあばら骨をたしかめてゆく。するとぼくの腕に沿って、ママの舌が動く。ぼくはママの乳(ちち)をなぞり、両腋(わき)の繁みをまさぐった。 ほかの誰よりも薄くて自在な舌が、ぼ…