シーブリーズのCMもポカリスエットの広告も、FMから流れてくるJポップのヒットチャートも、私達を焦らせていた。高校生活のうちに恋愛をしておかないとダメな気がしていた。でも部活をやって勉強もして、塾にも行って、読みたい本もあって。恋愛するなんてそんな余裕はなかった。要領の良い数パーセントだけがうまくやっていた。 中学も高校も、なんなら大学にも社会人になっても、周りには欲求不満状態にある男子がたくさんいた。恋愛をしていることが偉くて、彼女を持ってるからマウントが取れる。そんな雰囲気があった。セックスがしたいがために誰かを騙す。そこまで行かないでも、ズルい男がたくさんいた。 大学の共用スペース 男の…