1950年代頃まで、日本の高学歴の青年たちは難しい哲学の本を肌身離さず持っていたそうです。私の記憶が正しければ、藤子・F・不二雄も、級友たちはみんなそうしていたと書き残していました。「教養本のすすめ その1」からの記事に書いた私のように、哲学書は生涯通じて役立つ教養を与えてくれると多くの青年たちが考えていたからのようです。 「死体の前で金を騙される」に書いたように、インド旅行者のバイブル「地球の歩き方インド」では「インドは物質的には貧しいかもしれないが、豊かな精神世界が広がっている」と書かれています。「高野秀行の文才をねたむ」で紹介した「怪魚ウモッカ格闘記」(高野秀行著、集英社文庫)にも、お金…