久しぶりに、1990年代前半に刊行された山田詠美さんのエッセイ集「メイク・ミー・シック」(集英社文庫)を読み返しました。 再読のきっかけは、ファッション評論家・ピーコさんの訃報。同著に収録の「感情の表面張力」というエッセイを思い出したこと▽ yuringo738.hatenablog.com 読み返してみると、20年前に出合った詠美さんの言葉は、ちゃんと思考の栄養になって、私の骨と肉と血になっているのだなとしみじみ感じました。年齢を重ねるって、面白いことですね。 さて、「イメージの欠如」と題したエッセイでは、西麻布のバーで遭遇した、若い男の子の失礼な振る舞いと「自分のセルフイメージに美意識を持…