ξ 最近になって、ようやく『海上の道』(柳田国男、1875~1962)を知り読んだ。 これは日本人の南方起源説を主張したものであり、発表は1952年だが多くの研究者に衝撃と影響を与えたそうだ。 稲作は中国南部揚子江河口域あたりが発祥であり、そこから島伝いに日本にもたらされたという考えだ。 日本における稲作の起源と原日本人とが結びつけられている。 つまり日本人は次々航海に乗り出していった「海民」に由来しているというとても魅力的な説だ。 柳田国男の緻密なフィールドワークにより、琉球(沖縄)などの島々の古い伝承・祭祀に稲作技術を伝える「技芸」が様々に登場していることが根拠になっている。 また、遥か南…