東京国際映画祭にて、フィリピン映画『漁師(The Fisher)』を観てきた。 寂れた漁村。漁師のペドロ(モン・コンフィアード)はひとりで漁に出ているのだが、このところ網にかかるのは腐った魚ばかりで、不漁が続いていた。村ではダイナマイトフィッシングが日常的に行われていて、ペドロはそれが原因だと考えて、村から離れて妻と養女のシモーン(Heaven Peralejo)との3人で孤立した生活をしていた。 かつてペドロにはアンドレという息子がいたのだが、アンドレはひとりで漁に出て海に飲み込まれ帰らぬ人となっていた。アンドレの死の原因が村人のダイナマイトフィッシングにあると考えていることも、ペドロが村を…