第二次世界大戦時、日本通過のビザを発給してユダヤ避難民約六千人を救ったとされる杉原千畝が、外務省にどのように扱われたかを追究。戦後の外務省が戦争責任を隠し、歴史を偽造してきたという事実を明らかにする。 怒りと冷静さが同居する、なかなかの好著である。10年前読んだ時には気が付かなかった部分、タイトルにある杉原千畝よりも、真珠湾攻撃の際の日本大使館の通告遅れ問題について中心に述べたい。 杉原氏の言及するところは、なぜ、開戦通告遅れという日本国、日本国民に対して申し開きのできない不始末をしでかした奥村勝蔵、井口貞夫のご両人をそろって出世させたのか。奥村勝蔵に至っては、昭和天皇とマッカーサーの初会談に…