(広告で生まれた「愛」) 前号で「広告は愛だ」と書いた。思わず引いた人もいただろう。 愛とか、幸せとか言っているのは、関係が壊れそうになった夫婦くらいだ。普通に言う人がいたら、胡散臭い。 愛や幸せは、ちょっと手を伸ばせば届く安易な場所には置かれていない。 歳をとることは、苦渋と屈折を重ねることだと言う人もいる。ましてやコロナ禍だ。人は、紆余曲折の人生を送っている。愛とか幸せが見えるのは、父親の肩車の上や、公園のブランコの上だけかもしれない。 えがたいものを手に入れる難しさをあるフランス人が言っている「愛は愛し合うことだけではない。愛の周りにあるすべてのことを含めて、愛だ」。巡り合った人が持って…