衆院を4月8日に通過した「サイバー対処能力強化法案」と「同整備法案」が参院内閣委員会の採決を目前に控えている。政府は「国外と接続する通信のメタデータのみ取得し、暗号化本文は扱わない」と強調するが、主要インターネット交換点(IX)でパケットを全量複写してAIでふるい分ける仕組みを法定化し、攻撃兆候があれば警察庁・自衛隊が海外サーバーへ侵入して“無害化”を行うまでをワンストップ化する。安全保障研究者の間では、この多段階システムが、米英豪などのファイブアイズによって運用するECHELONに酷似するとして「日本版エシュロン 2.0」との呼称が定着しつつある。 ロシア・中国サイバー部隊の実像 警察庁がま…