4.5わが国最高のLGBT映画として名高い「彼らが本気で編むときは、」のように、日本映画がLGBTを描くばあい「わたしはかわいそうなLGBTでございます」と世間から虐げられていることを言挙げし同情や涙を稼ぐのが常套手段である。 わたしはAlice Wu監督のSaving Face(2004)のレビューにこう書いた。『LGBTがうさんくさいのは、ほとんどの人間にとってのパートナーが、女が好きか、男が好きか以前に、(相手が)いるか、いないかの問題だからだ。 ゲイがさべつはんたいとシュプレヒコールしながらパレードしていても、独り身の人間にとってみれば、おまえの権利なんぞ知るもんか。──なわけ、である…