色のない島へ: 脳神経科医のミクロネシア探訪記 (ハヤカワ文庫 NF 426) 本書は二部構成になっていて,第一部が表題の「色のない島へ」の訪問記です まず,H.Gウェルズの短編小説「盲人国」が引用されています道に迷った旅人が盲人だけが暮らす村に迷い込みます始めは村人たちのことを「かわいそうな障害者」だと蔑んでいた旅人ですが,やがて,立場が逆転します盲人国では目が見えることが障害だからです村の娘と恋に落ち,結婚して村に残りたいと願った旅人は長老たちのいう通り,自分の両目を取り除きました(「盲人国」,タイム・マシン 他九篇 H.G. ウエルズ (著), 橋本 槇矩 (翻訳)(岩波文庫)所収) マ…