桜がすっかり散ってしまったつい先日のこと。 あん友が「編集長、これ知ってる?」とニヤニヤしながら手土産を私に手渡した。 「御衣黄羊羹(ぎょいこうようかん)と言ってね。掛川で見つけた老舗の羊羹屋のものなんだ。御衣黄って緑黄色の珍しい桜で、開けてみるとわかるけど、それをモチーフにしたのがこの季節限定の珍しい羊羹なんだ。食べたら後で感想を聞かせてよ」 ホームランもあるが、三振もある和菓子好きグルメなので、期待2~3割ほどで、約1時間後、渋いデザインの紙包みを開けてみた。 「愛宕下羊羹(あたごしたようかん)」という店名が印刷されていて、包みを解くと、塩漬けの桜葉が一枚載った明るいグレーの珍しい煉り羊羹…