日高義樹氏は昔から好きなジャーナリストである。長くワシントンに住んで、米権力中枢に食い込み、考えさせる生々しいレポートを送ってくれる真の愛国者だと思う。反日の首魁、日本嫌いのエピソードには事欠かないキッシンジャーに、17回インタビューしたというのも、私も数回見たが、「日本人はお前が考えてるようなアホばかりではないぞ」という日高氏なりのアピールではないかと思っている。 本書は2020年、出版ということもありトランプ政権誕生と、中国に対する強硬姿勢がトピックになっている。 世界はいまや破滅の淵にいる。冷戦後、国際社会を維持してきた「アメリカと中国による国際社会」という枠組みが、終わりを迎えつつある…