親戚のお通夜に出席する。 妻の母の兄弟の末っ子というから、つまりは叔父にあたる。10年以上前に1~2度会ったことがある程度だ。料理人の気さくなおじさんであった。自分の親や親戚もそうだが、やはり男から優先的に死んでいくようだ。 お通夜も葬儀も、昨今の風潮に従い、ごく近しい身内だけでこじんまりと執り行われる。しかし身内といっても、妻の親類でり、自分はやや遠い立ち位置であるため、「わざわざ遠いところ、来てくださってありがとうございます」などとよそよそしく挨拶されることになる。こういう場面での大人な挨拶は、いい歳して未だに様にならずもじもじしてしまう。 ここ数年は入退院の繰り返しだったようだが、残され…