アメリカでは1960年代の公民権運動や70年前後のブラック・パワーが叫ばれた人種的対立の時代を経て、人種差別是正のためのアファーマティブ・アクションが進められた。 1963年にキング牧師が述べた「私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージアの赤土の丘の上で、かつての奴隷の息子たちと、かつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくようになることである」という願いは着実に実現に向かっているかに思われた。 黒人の大学進学率は上昇し、人種問題研究者や黒人政治家も増え、テレビの世界でも黒人タレントや記者らが活躍の機会を得た。アジア系移民が商売を繁盛させ、ヒスパニック系が労働市場に溢れ、多…