カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2023年) はじめに 感染防止対策や公衆衛生の取り組みにおいては、基本的に「何をなすべきか」が一義的に求められ、それをいかに科学的に、合理的に伝えることが重要です。ところが、日本政府や省庁が繰り出す基本的ガイドラインやマニュアルでは、得てしてこの原則から外れることが多く、この点で行政機構は構造的欠陥を抱えていると言えます。 最も顕著な例が、政府がマスク着用を個人の自由としたり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類感染症になったことに伴い、「感染対策は個人の主体的な選択を尊重して個人や事業者の判断に委ねる」(厚生労働省ホームページ)としたこ…