ひと月以上も前だが、書店「象の旅」に行くと妙にシンプルな作りの本がテーブルの上に並べてあった。常々「象の旅」のおすすめの本をテーブルに陳列する見せ方はシンプルながら結構新鮮で気に入っている。そこには、地元の星羊社の本だったり、福岡を拠点とする書肆侃侃房の本だったりと、近くの書店ではなかなかお目にかかれない本に出会えることが多い。そのシンプルな作りの本というのが、トマス・ハーディ「ロングパドル人間模様」とイーディス・ウォートンの「ウォートン怪談集」。版元は、葉々社とある。東京・梅屋敷にある書店ではないか。しかも、翻訳者は柴田元幸さん。サインまで入っている。 ハーディ「ロングパドル人間模様」 前置…