1960年から続くオリンピックのドーピングの歴史 オリンピックで発覚したドーピングの中で最も衝撃的だったのは、1988年ソウル大会の陸上短距離のベン・ジョンソン(カナダ)の事件でしょう。100m走決勝で人類初めて9.8秒の壁を突破し、金メダルを獲得したジョンソン選手は、レース直後のドーピング検査で筋肉を強化する薬物を使っていることが判明し、金メダルと記録を剥奪されました。一般的にまだそれほど認知されていなかったドーピングを知らしめ、その後の監視強化のきっかけにもなりました。 薬物による肉体の強化は競技力の向上は19世紀から確認されてきましたが、1960年ローマ大会で、ドーピングによる初の死者を…