🪷【源氏物語445 第14帖 澪標19】明石の上は、感想を少し書いて歌を添えてきた。源氏は明石にいる我が子が心にかかり みたくてならぬ気がした。 〜明石の君は感想を少し書いて、 一人して 撫《な》づるは袖《そで》の ほどなきに 覆《おほ》ふばかりの 蔭《かげ》をしぞ待つ と歌も添えて来た。 怪しいほど源氏は明石の子が心にかかって、 見たくてならぬ気がした。 🪷【源氏物語446 第14帖 澪標20】紫の上に明石の君の姫君の話をした。京に呼び貴女に見せよう。憎んではいけませんよと言う源氏。紫の上は恨み言を言うが、源氏は悲しくなり涙ぐむ。 〜夫人には明石の話をあまりしないのであるが、 ほかから聞こえ…