浅田次郎著一刀斎とは、新選組の生き残り、斎藤一を反対に読んだ異名である。維新のど真ん中、熱く生きた勤労の志士をはじめとした青年たち。その中に新撰組はあった。新撰組の撰は選でもどちら使われたようで、どちらが正しいかよくわからない。新撰組の話はいろんな作品で取り上げられており、語るものではないが、その中で長らく生き残ったと言われている著名な人物といえば、永倉新八と斎藤一である。本作はその副長助勤斎藤一が70歳を超えても生き続けている理由がわかる物語である。 若かりし頃から人を斬りまくった怖い印象の人ではあるが、様々な想いがあったことが酒を飲みながら独白という形で語り続けられる。明治天皇が崩御、その…