今年2022年は森鴎外の没後100年と松本清張没後30年が重なる年であるらしい。 森鷗外は新聞や雑誌で取り上げられ、松本清張は主にTVでと、違う媒体がそれぞれを競っているように見える。夏目漱石と並んで明治の文豪の双璧といわれる森鴎外は、島根県津和野の出身で東大医学部卒業後陸軍軍医に任官、ドイツに留学、帰国後累進して軍医のトップ陸軍軍医総監に上り詰める。私は特に歴史小説が好きで中学生の頃から「阿部一族」「高瀬舟」「寒山拾得」などを読んできた。また鷗外が死に臨んであらゆる肩書きを外し「余は石見人森林太郎として死せんと欲す」と書いた遺言には感動している。(津和野は旧石見(いわみ)国に属す)一方松本清…